お悩み:遺言書を書いたが遺留分の問題がありそうで不安
遺言書を作成しても、「遺留分」を侵害してしまうと、相続人から請求される可能性があります。「せっかく遺言書を書いたのに揉めるのでは…」と不安になる方は多いです。
本記事では遺留分の仕組み、対象となる相続人、注意点、トラブルを避ける方法をわかりやすく解説します。
遺留分とは何か?
遺留分とは、民法で保障された「一定の相続人が最低限受け取れる相続財産の取り分」のことです。
- 遺言書があっても、遺留分を侵害すると相続人は請求できます
- 遺留分を侵害する遺言は無効ではありませんが、請求されれば支払わなければなりません
遺留分の対象となる相続人
- 配偶者
- 子ども(直系卑属)
- 親(直系尊属)※兄弟姉妹には遺留分はありません
遺留分の割合
2020年の民法改正で、遺留分は以下のように計算されます。
- 直系卑属(子や孫):法定相続分の1/2
- 直系尊属(親):法定相続分の1/3
- 配偶者:法定相続分の1/2
例:遺言書で子どもに財産を渡さなかった場合、子どもは法定相続分の半分を遺留分として請求できます。
遺留分を侵害するケースの例
- 遺言書で全財産を特定の人に譲る
- 生前贈与で相続人がほとんど受け取れない状態にする
- 生命保険の受取人を特定の相続人だけに指定している場合でも、被相続人が保険料を負担していた場合は、みなし相続財産として遺留分計算に含まれることがある
このような場合、遺留分侵害額請求が発生する可能性があります。
遺留分トラブルを避ける方法
- 遺言作成時に専門家に相談する
遺言書作成の段階で、遺留分を侵害しないように財産配分を確認する。 - 遺留分を考慮した贈与・保険金の設計
生前贈与や生命保険の受取人指定も、遺留分を侵害しない範囲で行う。 - 家族と事前に話し合い、理解を得る
遺言書だけでなく、家族間で方針を共有しておくと、請求リスクを減らせます。 - 争いが発生した場合の対応策
遺留分侵害額の請求は、原則として請求した日から1年以内に行う必要があります。専門家に相談して、話し合いによる解決を図ることが重要です。
まとめ
遺言書を書いても、遺留分の仕組みを理解していないと相続トラブルの原因になります。
- 遺留分は法定相続人の最低限の取り分
- 遺留分を侵害する場合は請求される可能性がある
- 専門家に相談して事前対策を行うことで、トラブルを未然に防げます
遺留分に関する不安がある方は、弊事務所にご相談ください。遺言書作成のアドバイスや、遺留分を考慮した財産分配の支援を行い、安心できる相続手続きをサポートいたします。
