お悩み:限定承認って何?借金がある場合の相続方法
奈良市や生駒市にお住まいの方で、家族が亡くなった際に財産より借金が多いかもしれないと不安になる方は少なくありません。
そんなときに活用できるのが「限定承認」という手続きです。
限定承認とは?
限定承認とは、被相続人の財産の範囲内で負債を支払う相続方法です。
言い換えると、借金や負債があっても、相続財産の範囲内で清算すればそれ以上の責任を負わない仕組みです。
- 財産500万円、借金700万円の場合
→ 通常は借金を500万円以上返済する必要があります
→ 限定承認を選ぶと、相続財産500万円の範囲内で負債を返済し、それ以上の負債は相続人が負わない
奈良市・生駒市の方も、借金がある場合には相続放棄ではなく限定承認を選ぶことで、財産も受け取りつつ負債のリスクを抑えることができます。
限定承認が必要になるケース
- 被相続人に財産も借金もある場合
- 相続人が複数いて、財産と負債を公平に分配したい場合
- 相続放棄をせず、一定の財産だけを残したい場合
事例1:財産と借金が混在するケース
奈良市在住のAさんの母が亡くなり、預貯金300万円、土地建物700万円、借金1,000万円がありました。
相続放棄をすると土地建物も受け取れませんが、限定承認を選ぶことで、財産の範囲内で借金を返済した上で、土地建物を相続できました。
事例2:兄弟で財産を分けたい場合
生駒市在住のBさんには兄弟2人がいます。父の遺産は預貯金400万円、借金600万円。
限定承認を行うことで、兄弟それぞれが負債のリスクを相続財産の範囲内で負い、公平に財産を分割できました。
限定承認の手続き方法
- 家庭裁判所への申立て
相続開始を知った日から3か月以内に、裁判所に申し立てます。 - 必要書類の準備
- 被相続人の死亡届、戸籍謄本
- 申立人の戸籍謄本
- 財産目録、負債明細
- 申立書
- 裁判所の受理
限定承認の申立てが認められると、正式に手続きが成立します。
以降、財産の範囲内で債務を清算し、残余財産を分配します。
注意点
- 限定承認は相続人全員の同意が必要です。
- 手続きは相続放棄よりも複雑で、財産目録や負債調査が求められます。
- 不動産や株式などの評価方法も影響します。
まとめ
奈良市・生駒市周辺にお住まいの方で、借金と財産が混在する場合には、限定承認は財産を受け取りつつ負債リスクを抑える有効な方法です。
手続きはやや複雑なため、弁護士などの専門家に相談・サポートを受けることをおすすめします。
